別のところに海外居住者向けのブログを設置していましたが、あまりにSPAMが多いのでこちらに一本化することにしました。
私は昨年帰国して2ヶ月あまり個人事業を営み、その間に準備をして有限会社を設立、現在に至っています。そしてこの、帰国から個人事業、会社設立にいたるあたりを調査しに先日税務署の方たちがやってきました。
国税局のイーコマース担当という方も来られて、よく勉強されているのには驚きましたが、簡単に国境を越えてしまうイーコマースというものに対しては制度が追いついておらず、また、税務署のほうでも判断に苦しむケースも多々あるそうです。
今回の訪問のフォーカスのひとつになったのが、帰国前の業務形態でした。つまり、ホームページで日本向けのサービスを提供していて多少の利益がある。私は海外に住んでいましたが、納税の義務はどこにあるのか?ということです。
所得税は所得の源泉がどこにあるかで課税場所が決まります。日本国内で労働すれば当然日本で課税されますし、海外にいても、日本国内に事業所など拠点があれば日本での課税の対象となります。
では多分私以外にも読者の方の中にも何人かおられると思いますが、海外に住んで日本人向けのホームページを持ち、例えば日本国内の企業から収入を得ていたら?
どういうことかと言いますと、例えば私のホームページでは、インターネットで新幹線の予約ができるサービスを紹介しています。このうち、JR東日本のサービスは、訪問者が私のホームページを経由して会員登録されると私に成果報酬として100円が支払われる仕組みになっています。これをアフィリエイトと呼びますが、アマゾンの書籍を紹介して手数料がもらえるというような仕組みも同じものです。
海外に住んでいようとも日本語のホームページを持ち、日本国内の企業の商品やサービスを紹介して利益を得ることは可能ですが、さて、その時の所得の源泉はどこにあるのか?というのがかなり曖昧なわけです。実際のところ税務局の人も最初に来られた時には「よくわからないので検討しているところです」ということでした。
そして検討結果、と言うか、私の事業の査察の結果を伝えに来られた時に「あくまで現時点での解釈ですが」という但し書き付きで一定のガイドラインを示されたので皆さんにもお伝えします。
まず、海外に暮らす人が単に日本のインターネット接続プロバイダーと契約して、ホームページを作って広告を貼るくらいでは日本国内に事業所があるとは言えず、日本国内で労働も行われていないので、日本国内での課税対象とはみなされないそうです。
しかし、もう少し大きな規模で専用のインターネット用サーバーを日本国内に置くなど、物理的なものを持っていると、日本国内で作業をしていなくても、日本国内に事業拠点があるとみなされ、日本国内での課税対象となる可能性が高いそうです。
では、ホームページを持っていて、日本国内の企業や個人から多少の収入がある人の申告納税義務はどこにあるかと言うと、多分、お住まいの国、ということになるかと思います。
でも実際には、日本国内の口座で報酬を受け取っていたりしたら、住んでいる国の税務当局にも把握は困難ということになります。
では「アメリカに住んで、日本から収入を得ていればばれないじゃないか!」と思われたあなた。ちょっと甘いです。
税務署は、報酬を払う企業などの側から誰に報酬が支払われているかを追っています。そしてその支払先の口座の持ち主がアメリカにいるとなると、アメリカと日本との間には税に関する条約がありますから、どちらかの国で課税されるということになるでしょう。意図的に申告をしていなかったとしたら?もちろん罰則の対象になります。
ただし、今まで書いたことはあくまで「現時点での法解釈」によるものだそうです。つまり、インターネットを使ったビジネスへの対応を税務当局の方も急いでいて、法的な整備や関係国との調整なども行っているようですから、近々変化する可能性もあります。
もしかしたら、インターネットを使って日本国内の企業から収入を得ていたら、源泉は日本にあるとみなす、という解釈に近い将来ならないとは言えません。
posted by tanzan at 11:11|
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